行政書士法人の役員が語る行政書士の仕事・転職・将来

このコラムを3分読めば理解できること
・行政書士の試験、仕事の概要が理解できる
・行政書士で食べていけるのか?との疑問に解消する
これから行政書士職へ転職しようという方向けの、仕事解説コラム。このコラムでは行政書士法人の役員として働く僕自身の行政書士観を語ります。
このコラムの目次
①行政書士としての今の自分
②なぜ僕が行政書士を目指したのか
③行政書士は食えない???
④行政書士として働くためのコツ
⑤このコラムのまとめ
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①行政書士としての今の自分
最初に、行政書士としての今の僕のポジションをご説明します。この動画を撮影しているのは2020年の8月です。現在うちの事務所は約30名で運営していて、僕は役員をしています。最新の職員数はリンクを貼っていますので、ご参照ください。
事務所には社労士、行政書士、税理士、司法書士とそれらの受験生がいます。別々の士業が一つの法人としてまとまることは法律上認められていないので、4士業の合同法務事務所の形式をとっています。行政書士の有資格者は、約10名です。
僕の仕事は大きく分けると2つに分かれていて、役員としてはWEBサイト管理、広告やマーケティング、見込みのお客様との商談、人材採用、財務経理など経営全般を担当しています。
実際の行政書士としての仕事ももちろん担当していて、法人設立や営業許可申請、遺言相続の手続きなどです。
毎日がとても忙しいですが、経営者としても行政書士としてもやりがいを感じて、仕事に向き合うことができています。
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②なぜ僕が行政書士を目指したのか
次になぜ僕が行政書士を目指したのかを説明します。あまり胸を張って言えることではないのですが、実は消去法で仕方なく行政書士の道を選んだのです。
僕が社会に出たのは平成10年頃なのですが、いわゆる就職超氷河期にあたります。大学の先輩たちはかろうじて有名企業に滑り込んだ感がありましたが、僕らの年代は山一證券や北海道拓殖銀行が倒産した直後だったので、就職状況はまさにどん底でした。
一般企業の採用面接を受けても受けても断られる毎日で、結構絶望のようなものを感じていたとき、ふと大学生協の資格試験パンフレットのコーナーの前で立ち止まったのです。
色々な国家試験の案内がありました。税理士や司法書士は名前も聞いたことがあったのですが、行政書士という資格をそのときはじめて知りました。
何種類かのパンフレットを家に持って帰って眺めていると、行政書士の仕事範囲の多さと、それほど高くない資格試験の難易度に惹かれて、すぐに試験予備校に申し込んだのです。これが実は苦労の始まりでした。
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③行政書士は食えない???
行政書士試験には運よく1回の受験で合格。新聞の3行広告で見つけた行政書士・司法書士の総合事務所への就職が決まりました。僕は同級生より数カ月遅れで社会人になりました。
試験勉強の時から気づいていたのですが、行政書士の資格試験は実務とはほとんど直結しません。唯一家族法の分野が遺言・相続業務と関連がありますが、試験範囲が浅すぎるので仕事では使えません。
では行政書士の専門分野である許認可申請はどうかというと、許認可と名の付く手続きは日本には数千あると言われているため、反復継続して自分のスキルをアップしていくということも難しいです。
結論として僕が行きついた答えは、
行政書士は試験内容が実務に直結せず、法で定められている業務の幅があまりにも広すぎるため、資格を取得してもそれが飯のタネ(つまりお金)に結びつくことはない
ということです。このことは25歳の時に身をもって実感しました。
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④行政書士として働くためのコツ
それから20年以上が経ちました。この間僕は社労士の試験に合格し、現在は多くの職員を抱える合同事務所の経営者として、仕事をさせてもらっています。
この20年間をどのように過ごしたのかは、また機会があればお話しさせてもらいますが、ここでは行政書士として働くためのコツをご紹介したいと思います。
もう一度、僕が20年前に行きついた答えをご紹介します。つまり、
行政書士は試験内容が実務に直結せず、法で定められている業務の幅があまりにも広すぎるため、資格を取得してもそれが飯のタネ(つまりお金)に結びつくことはない
という内容です。これを逆説的に捉えれば、
業務の幅を絞り、その分野の知識習得の努力を継続すれば、行政書士として成功する可能性がある。
ということです。いわゆる業種特化です。それは建設業でもいいし、入管業務や帰化申請でも、遺言相続業務でも構いません。
僕の場合は介護保険事業と障害福祉事業を選びました。この分野は社労士・行政書士のダブルライセンスとの関係性が深いからです。
皆さんは行政書士として業種特化することに不安を感じるかもしれませんね。業種特化すると、もちろんお客様のターゲットが狭くなります。場合によっては、自分の守備範囲外の仕事をお断りしなければならないこともあります。
でも考えてみてください。ここに2つの整骨院があるとします。
一つは、「関節の痛みなんでもご相談ください」
一つは、「膝の痛み専門」
もしあなたが膝に痛みを感じている場合、どちらを選びますか?きっと専門性をうたっている方を選びますよね。行政書士業務でも同じです。
専門外の業務依頼があった場合は、知人の行政書士にお客様を紹介すればよいのです。これを繰り返しているうちに自然とネットワークが広がり、逆にお客様を紹介して頂く機会も増えていきます。
行政書士として生きていくためのコツは、ズバリ業種特化と試験合格後の自己研鑽です。
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⑤このコラムのまとめ
以上が僕が考えている、行政書士の仕事像です。これから行政書士への転職を考えている方の参考になれば幸いです。
このコラムでは社労士・行政書士への転職に役立つノウハウをご紹介しています。
社労士、行政書士の資格に興味のある方は、こちらからご応募下さい。ご質問もお待ちしています。


投稿者プロフィール


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◆社会保険労務士、行政書士
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